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歯周病の原因

歯周病をまねく細菌

歯周病原性細胞の一種
写真提供:東京医科歯科大学大学院 歯周病学分野准教授 渡辺久先生

歯周病のおもな原因は、プラーク中に含まれる細菌です。一口に細菌といっても、歯周病をひきおこす細菌ばかりではありません。

しかし、歯周病についてはさまざまな細菌が関連していると言われ、その特定は難しいといわれてきましたが、近年の研究により、関連深い細菌がわかってきました。

その中には、歯周病に限らず全身的な疾患にも関連するものもわかってきており、歯科に限らず医療全体で注目されつつあります。

歯周病の原因の多くは、空気を嫌う運動性の細菌です。プラークがたまっていくとその中で、空気に触れにくい深部へと移動していくのです。そのため、目に見えるプラークよりも歯肉のフチより下、歯肉と歯の間の溝(歯肉溝)や歯周ポケット(歯周炎により歯肉溝がより深くなったもの)の中などに多く棲息しています。

これらは、毒素を持ち炎症を誘発します。上皮や血管の内側から細胞内に侵入できる細菌もおり、これによって口の中だけなく、全身に影響を及ぼすことが多くの研究からわかってきています。

歯周病を防ぐということは、歯を失わない、ということだけでなく、全身の健康を守るためにも非常に重要です。

生体の防御

人間の生体の防御のために特殊に進化した細胞群が白血球です。

私たちの生体防御は、この白血球によって行われています。白血球は、自律神経によってその分布などが支配されています。白血球が過剰になると常在菌(いつもいる細菌)にも反応してしまい、粘膜などの炎症を引き起こします。

少しむずかしい表現になってしまいましたが、すなわち自律神経に作用するストレスや疲労、加齢といったものが普段はなんともないような刺激(この場合いつも口にいる細菌)でも炎症を引き起こす要因となるのです。

このしくみは、歯周病に限らず、胃潰瘍や膵炎、腎炎、子宮内膜症、大腸炎などの粘膜系の疾患を引き起こします。胃潰瘍とストレスの関係は皆さんもよくご存知なのではないでしょうか。

そのほか、免疫に関わる全身性の疾患も大きく関連しています。なかでも、糖尿病と歯周病との因果関係は非常に深く、糖尿病の合併症のひとつとして捉えられています。

生活習慣と環境

歯周病は、特定の細菌が関与する感染症ですが、生活習慣病としての側面も併せ持ちます。

生活習慣病といえば、糖尿病や高脂血症、高血圧が有名ですが、これらは日常生活の乱れや栄養、カロリーなど無視した食生活、喫煙などを続け、そこにストレスや体質などの要因が加わり発症するといわれています。

歯周病においても、細菌感染のみならず、喫煙や食生活、歯みがき習慣、そして前述したストレスや加齢といった環境的な因子が複雑に関連して起こります。

全身への影響


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【出典資料】
花田信弘先生監修『発展していくMI QOL向上のために歯科医療にできること』株式会社ジーシー
『デンタルなぜ?なに?Part2 歯周病編』GC友の会