QOL向上のために歯科医療にできること:MI21.net

QOL向上のために歯科医療にできること:MI21.net

予防の3相と5つの予防手段にMIをあてはめる

Leavell & Clark の「疾病の進行を最小限にとどめて、それ以上の進行を予防する」という考え方は「病変の進行(侵襲)と処置による侵襲を最小限にとどめ、それ以上の進行を予防するために、正確な診断により適切な口腔健康管理を行なう」というMIの考え方にも通じています。

それでは、前頁の予防の3相と5つの予防手段にジーシーの提唱するMIコンセプトに基づいて口腔疾患への対策を当てはめ第2次予防のうち早期診断と即時処置を分けて考え、予防手段を6段階で考えてみたいと思います。

まず第1次予防とは、発症前の健康な人々(Public)を、第2次予防と第3次予防は発症後の患者(Patient)を対象としています。
そして口腔内の悩みは、健康な人もそうでない人にも数多くあります。

  予防手段 疾病のレベル 対 策
第1次
予防
健康増進 健康 主に公衆衛生的な指導 公衆衛生活動、衛生指導、生活指導、食事指導、歯科健康診査
(3歳児歯科健診や産業歯科健診等国民が受動的に受けるもの)
特異的予防 自発的に行なう予防 定期健診(個人的に通うもの)、各種リスク検査、フッ化物塗布、PTC、シーラント、予防矯正(非抜歯)、予防充填、予防的除石、歯口清掃、砂糖高含有及び粘着性食品の回避、その他予防に配慮した生活習慣

第2次
予防
早期診断 潜伏期 各種診査検査 スクリーニングのための歯科検診(学校検診など)、主訴や症状に合わせた各種精密検査(視診、触診、X線診断、ダイアグノデントによるレーザー蛍光診、歯髄電気診査、プロービング検査、動揺度検査、顎機能検査、咬合力測定、細菌検査など)
即時処置 発症初期/進行期 初期病巣への処置 患者の要求に配慮した最小の侵襲での処置
歯質への最小限の侵襲
(歯質の最小削除、再石灰化処置や経過観察等)
歯周組織への最小限の侵襲
(ディプラーキング、歯周デブライドメント、SPT等)
障害の
進行阻止
病巣の進行阻止 患者の要求に配慮した最小の侵襲での処置
歯質への最小限の侵襲
( 歯質の最小削除、最小限の根管拡大、レジンコア、非抜歯等)
歯髄への最小限の侵襲 ( 覆髄、LSTR等)、
歯周組織への最小限の侵襲(外科的侵襲縮小、再生治療等)
第3次
予防
機能回復 回復期 機能回復 患者の要求に配慮した最小の侵襲での欠損補綴
歯質・歯周組織への最小限の侵襲
(1本義歯、単独植立インプラント、接着ブリッジ、
メインテナンスしやすい義歯、適合調整、定期管理等)
補綴物への最小限の侵襲( 破損義歯の修理等)
QOL向上のために歯科医療にできること:MI21.net